ギターはコード楽器である。
コードを押さえてジャカジャカやるのが基本のスタイル。
ところが…!
ちょっと!コードが押さえられないんだけど!
そうなのである。意外とギターのコードって押さえるのが難しい…!
教則本に出てくる最初のコードがもう、そこそこ難しい。
C、G、Am、F…そしてB!
ちょっと!なにこのコード!指が…
はい、そこまで!
難しいのは分かるけど、ここは健全なサイトなんで!
………。
まあまあ。
これがアルペジオともなると、更に難しい。
アルペジオっていうのは、押さえたコードを1弦ずつ弾いていくもの、と覚えてもらってかまわない。
ジャカジャカとストロークしたら分かんないけど、1弦ずつバラバラに弾いてみたら全然キレイに鳴ってない…。
正確にコードを押さえられていないと、ちゃんと鳴らないのがギター。
なんとか簡単に押さえられないものか…。
おしっ、簡単に押さえられるようにコードをカスタマイズしてみよう!
- 押さえる指の数を減らそう
- 開放弦を活用しよう
- バレーコードをバレーしない
- バレーを活用しよう
- バレー不要のコードをバレーする
以上に挙げたあたりが、コードのカスタマイズのポイント。
どういうものか、いっこずつ見ていこう!
押さえにくさの原因は?
ギターのコードの押さえにくさの原因ってなんだろう?
それは指がごちゃついてるから!
コードを押さえる指が多くなるほど難易度が上がる。
指1本で押さえられるコードは簡単でしょ。そういうコードもけっこうある。
といっても基本的にコードを押さえる指は、人差し指、中指、薬指、小指の4本。
親指で押さえるやり方もあるけど、手の大きさには個人差があるから、難しい方もおられるだろう。
だからコードを押さえる指は最大4本、ということである。
4本くらい頑張れよ!
まあまあ。
誰もがおじさんみたいに水かきびろびろ押弦法を使えるわけでもないし。
…なにそれ?
水かきをこう、びろーんびろびろび
あ、もういいです。
指がごちゃついてるのが押さえにくさの大きな原因。
じゃ、この指使いをスッキリとカスタマイズしていこう!
ギターコードのカスタマイズ方法
ごっちゃごちゃでぐっちゃぐちゃの指使いをスッキリさせるためには?
押さえる指が多いほど難しいんだから…。
押さえる指を減らしてみよう!
まずはシンプルに押さえる指を減らしてみよう。
そのために有効なのは開放弦の活用である。
開放弦とはどこも押さえていない状態の弦のこと。TAB譜では0ポジションと表記される。
たとえばCコードの場合。
Cコードは最初に覚えるコードの代表格。
その割に、ちゃんと指を立てて押さえないと他の弦に触れちゃって音が出ない…いっぽうで6弦はミュートして鳴らないようにしなくちゃいけない…などなど。
けっこうムズい!
よし、じゃあ2弦を開放弦にして押さえる指を減らしてみよう。
これはコードダイアグラムという表記法。
●の部分を押さえる。○の部分が開放弦。×の弦は鳴らさない。
こうするとC△7(Cメジャーセブンス)というコードになる。
押さえやすい!かえるのくせに!
そうでしょうそうでしょう。響きもオシャレな感じでしょ。
……。
かえるを下に見てます?違う?そりゃどうも。
こんな感じで開放弦を活用して押さえる指を減らす、ということを試してみよう。
よくつかうコードの一部を開放弦にしてみて…。
響きに違和感がなければおっけー。
じゃ次にGコードを開放弦の活用で押さえやすくしてみよう。
Gコードも教則本の最初のほうに出てくるコード。でも…。
ちょっと!1弦3フレット!
そう、1弦3フレットが薬指でも小指でも押さえるのが難しい。
じゃあ1弦3フレットは押さえない!そんでかわりに3弦2フレットを押さえてみよう。
そうするとG6(9)というコードになる。
押さえやすい!かえるのくせに!
そうでしょうそうでしょう。響きもオシャレな感じでしょ。
……。
あれ…?このなんか引っかかる感じちょっと気持ち良い…?
…こほん。
3弦2フレットは押さえずに開放弦にしても良い。その場合はG6というコードになる。
押さえにくいところは開放弦にしてみる…そんで違和感がなければカスタマイズ成功である。
色んなコードで試してみよう!
バレーコードをバレーしない
ギター初心者さんの最初の壁と言えば。
なんぴとたりとも俺の前は走らせねえ…!
そう!Fである。
鴨頭嘉子ちゃんて何歳の設定なんだろう…?
Fコードの難しさの原因は、複数の弦を1本の指で押さえる『バレー』にある。
バレーのコツは力を入れないこと。
こう言われても、なかなか弾き始めた頃は感覚がわからない。
コツさえ掴んでしまえば難しく感じないんだけど、そうなる前に挫折しちゃう人もおられるだろう。これこそ最初の壁、と呼ばれる理由。
じゃあバレーしない!
ということで、Fコードのバレーを外してみよう。
1弦を開放にして6弦をミュート。手の大きな方は親指で6弦1フレットを押さえるのもアリ。
こうするとF△7というコードになる。
押さえやすくて響きもなかなかオシャンティ。
バレーコードでつまずくのはギター初心者あるあるだけど、それで挫折して辞めちゃうのはもったいない。
押さえやすくアレンジして、楽しくギターを続けるのが絶対オススメ。
ギター初心者最大の敵、Bコード!
ギター初心者に立ちはだかる最初の壁がFコードなら、最大の敵は…!
ちょっと!なにこのコード!
Bコード!こいつが初心者最大の敵である!
2フレットを人差し指でバレー、4フレットの2、3、4弦を中指、薬指、小指で押さえる…。
くっ…くぬぬ…!
はっはっは。指がフォークボールを投げる感じになっちょるなっちょる。
こんなときは、水かきをこう、びろーんびろびろび
あ、もういいです。
このフォームのBコードを、まともに押さえている人ってどのくらいいるんだろうか?
おじさんがよくつかうBコードのフォームは…。
こう!2、3、4弦を薬指でバレーするのである!
1弦はバレーした薬指をちょっと浮かせる感じでミュートする。
そんなに意識してミュートしなくても、このフォームだと1弦はあんまり鳴らないから大丈夫。
人差し指以外の指でバレーするのって難しそうだけど、一部の弦をバレーするだけならそんなに難しくない。
このフォームはコードチェンジもスムーズだし、カッティングもやりやすい。
お試しあれ!
そしてもうひとつBコードのカスタマイズ方法を紹介してみよう。
2弦4フレットを2弦2フレットに変えたフォーム。
こうすると、Badd9というコードになる。add9はアドナインスと読む。
押さえる指の本数を減らして押さえやすくするパターン。
響きもなかなか素敵なコード。3rd音を省いたボイシングなので、Bメジャー、Bマイナーのどちらでも使うことができる。
3、4弦は中指:薬指と薬指:小指のどちらでも大丈夫!
バレーを活用しよう!
バレーを活用することで押さえる指を減らす、つまり押さえやすくカスタマイズできる。
ボケないの?
…バレーで?
うん、バレーで。
ママさんバ
あ、もういいです。
バレーは難しい…というイメージがあるけど、押さえる弦が2~3本だけならそんなに難しくない。
4弦ルートのディミニッシュのコードフォーム
こちらは4弦ルートのディミニッシュのコードフォーム。
ディミニッシュってなに?って方は、そういうコードがある、ってことだけ覚えとけばおっけー。
何か変な響きー。
そうそう。耳慣れないと、どこでこんなコードつかうんだ?って感じるよねえ。
ディミニッシュはダイアトニックコードのV7コードの代理コードとして使える。
ドミナントセブンスコードの代理として使ったり、コードとコードの間をつなぐもの(パッシングコード)として用いたりする。
まあ理論的なことはひとまず置いとこう。
好きな曲のコード進行に出てきたら覚えてみよ~。
こんなコードフォームが出てきたら、どう押さえたらいいの?
くああ!指が複雑骨折する!
しないと思うけど。
まあ、4ポジションを人、中、薬、小指の4本でそのまま押さえるのは確かに難しい。
そこでバレーを活用してみよう。
こうすると3本の指で押さえることができる。空いた指で更におかずを入れたりもできる。
4弦ルートの〇m7(♭5)のフォーム
もうひとつ例を挙げてみよう。
このフォームも4ポジションを押さえるタイプ。これを…。
こう!この場合は中指でバレーする。これまた他の指が空くので押さえやすい。
人差し指以外のバレーを活用してみよう!
バレー不要のコードをバレーする
こちらは5弦ルートのメジャー9thのコードフォーム。ボサノヴァでよく使われる、オシャレ感満載のコードである。
しっかし…どんな指使いで押さえたもんだろう?
まあ普通に押さえたらこんな感じ。どう?簡単?
くああ!指が粉砕骨折する!
しないと思うけど。
それでもやっぱり、押さえるのが難しいのは確か。
そんなときはこう!
人差し指でバレーしてみよう。本来はバレー不要のコードフォームだけど、バレーすることで左手全体が安定して押さえやすくなる。
人差し指で押さえた弦は4弦だけが鳴れば良いので、力を入れる必要もない。
5弦ルートの〇6(9)コードのフォーム
ところで以下のコードを見てほしい。
これは5弦ルートの〇6(9)というコード。優しい響きが素敵なコードである。
バレーせずに押さえると…。
こんな感じ。
くああ!指が
はいはい。じゃバレーで押さえやすくしてみよう。
押さえる指を減らして簡単になったはず。1弦のミュートは例によってあんまり気にしなくて大丈夫。
このフォームの3弦を小指で押さえると…。
さっきのメジャー9thコードになる!
そう!似たコードフォームには押さえやすくするヒントがある!
5弦ルートのディミニッシュのコードフォーム
これは5弦ルートのディミニッシュのコードフォーム。どう押さえようか?
まあこんな感じで押さえるわけ。簡単ですか…?
ところで、5弦ルートの〇7コードのフォームを見てみよう。
このフォームは5弦がルート。2フレットをバレーするとB7コードになる。1弦の△マークは鳴らしても鳴らさなくてもどっちでも良いよ、のマーク。
このフォームで5弦を中指で押さえると。
さっきのディミニッシュコードになる!
そう!5弦を中指で押さえるとディミニッシュになる!
そしてディミニッシュは〇7コードの代理コードとしても使える…!
人差し指のポジションがそのままの場合、はルートが半音上がるということになる。
Bの半音上はCなので…。
B7の代理コードとしてCディミニッシュが使える!
ということである。例によってなにそれ?って方はスルーして大丈夫。
コードの機能を変えずにカスタマイズ
コードをカスタマイズする場合は、そのコードの機能を変えない、ということが大事。
何でもそうだけど、仕組みを理解しないままイジリまわしちゃうと…。
ちょっと!テレビ映んないんだけど!
あ、ちょっとまって、今忙しいから。
…そのネジは?
何でもない何でもない。
ちゃんと元通りに組み直したはずなんだけどなあ…。
ネジ何本か余っちゃった。
何かをカスタマイズする際は、そのことについてちゃんと仕組みを理解して取り組んだほうが効率的。
ギターのコードをカスタマイズするときも、コードの仕組みを理解していたほうが良いのは間違いない。
その理解を助けるのが音楽理論である。理論、というとなんだか難しそうだけど、初歩的な部分をちょっと知るだけで効果がある。
じゃちょっと音楽理論に取り組んでみようかな…って方は以下の記事もどうぞ~。
まあ、適当にイジリ回しても爆発したりしないのが音楽理論の良いところ。
間違いなんか気にせずに色々と試してみよう!
ちょっと!テレビがボカーンって!
あ、ドクロマークのボタン押しちゃった?しょうがないなあ。
おじさんオリジナルのカスタマイズ!
コードの機能を左右する音
ギターのコードは様々な音から構成されている。
その中でも重要な音、コードの機能を左右する音、というものがある。
それは3rdと7thの2つの音!
どちらにもメジャーとマイナーの2種類がある。
- メジャー3rd
- マイナー3rd
- メジャー7th
- マイナー7th
とくに3rd音はコードの機能に大きく影響する。
メジャー3rdが含まれているとメジャーコードになって、マイナー3rdが含まれているとマイナーコードになる。
7th音もメジャーとマイナーでコードの響きがかなり変わる。
コードをカスタマイズする際はこの2つの音はそのままにしておくとコードの機能があまり変わらない。
逆に言えば、この2つの音を変化させると響きがかなり変わってくるのでハッ、とするコードができる場合もある。
3rdの音を省く(オミット)と、メジャーコードとマイナーコードのどちらとしても使うことができる。
この辺りの事柄に興味がある方はまず、ダイアトニックコードについて覚えてみるのがオススメ。
3音構成のコードについて
1stはコードの基準になる音。これに3rdと7thの2つの音を加えた3音構成でも充分コードとして機能する。
コードをカスタマイズするときはこの3音構成のコードを核にして、プラス何か好きな音を足す、というのもオススメ。
3音構成のコードは押さえやすい!
指板上の音を把握してみよう!
コードを自分の好みにカスタマイズするためには、ギターの指板上の音の配置を把握する必要がある。
えーこれぜんぶ覚えるのー?
この音の配置をぜんぶ丸暗記するに越したことはないけど、効率的じゃないし現実的でもない。
まず指板上でダイアトニックスケールを覚えてみよう。
ダイアトニックスケールとは、ひとことで言えばドレミファソラシドのこと。
ドレミファソラシドを指板上にあらわすと。
こんな感じ。これはレギュラーチューニングの場合。
ギターには異弦同音というものがある。
異なる弦に同じ音が鳴るポジションがいくつかある。まずこのポジションを把握してみよう。
いきなりぜんぶ覚えられなくても大丈夫。
よく使うコードに関連付けて覚えるのがオススメ。
C△7コードについて見てみよう。
こちらは5弦ルートのC△7のコードフォーム。
構成音は、
- 1st
- メジャー3rd
- 5th
- メジャー7th
この4つである。
これらの構成音の指板上の配置を把握してみよう。
ギターは音の並び方を視覚的に把握しやすい楽器。各コードを図形のように捉えるのも覚え方のひとつ。
なんか三角形みたいなコードとか、台形みたいなコードとか。
音の配置を覚えるほど、コードのカスタマイズはやりやすくなる。
ちょびっとずつ覚えていこう!
押さえやすいコードでギターを楽しく!
音楽やギターは何のためにやるのか…。
それは楽しくなるため!
思い通りに弾けるようになったら楽しいよねえ。
ちょっと!ギター難しいんだけど!
そう、やっぱりギターは難しい…。弾けないとあんまり楽しくない。
個人差はあるけど、楽しくなるまでにある程度の時間がかかっちゃうかも。
そうなると挫折のリスクも高まっちゃう。
だから楽しくなるまでの時間を短縮しよう!
押さえにくいコードはできるだけ簡単に押さえやすくしちゃおう!
そして自分でやりやすくカスタマイズする、という考え方はギターを弾くこと以外のことにも応用できる。仕事とか…人生とか!
人生や生活をちょびっと豊かにしちゃおう!
① 役に立った
② 役に立たなかった
③ ドクロマークのスイッチ…?
ええ?ほんとに?まじの?まじのやつ?①…?ありがとろにくす!
ドクロマークは…ロマンですよ…ねえ?