かえるは呆然と立ち尽くしていた。
真っ赤に染まった自らの手を見つめ、凍り付いたように動かない。いや、動けない。傍らには歪な球体が転がっている。
…水かきに赤黒い肉片がこびりついている。
永遠にも似た一瞬が通り過ぎた時、かえるを呼ぶ声がした。
おじさん危機一髪!
おじさん!
あ、折田くん。
どしたんこのありさま?
いや~お昼にミートボール食べようとしたらひっくり返しちゃってさ~。
ケチャップ大量にかけるのな。
これが美味しいんだよ~。
じゃあ片付けたらテンションコードについて教えてよ(棒)。
さて、片付けて手も洗ったところで。今回紹介するのは『A△7(9)』というコードである。
かえるのワンポイントアドバイス
バランスボールに乗りながらミートボールを食べる時は、周囲の状況によく注意しよう!
持った瞬間テンションコード
このコード、おじさんのお気に入りである。というか、9th(ナインス)というテンションが好きなのである。コードダイアグラムを表記してみよう。
3弦と4弦のみを押さえる構成なので、ギターを持った瞬間から鳴らせるコードフォームだと思う。6弦が鳴っちゃってもご愛嬌、気にしない気にしない。
ギターを始めたばかりの人がテンションコードを鳴らしたらカッコいいじゃん。おじさんは9th系のコードをオススメする。もし響きが気に入ったら、理論は一先ず置いといて鳴らしてうっとりしてみよう。
組み合わせると映えるコード
『A△7(9)』と組み合わせて弾くとうっとりしちゃうコードを紹介してみよう。
ちょっと押さえ難いかもしれないが、その分うっとり度の高いコードボイシングである。例によってバレーを使わないので、『Fコード』より初心者さんに優しいかも。
アルペジオで1弦づつ弾いてみて、1弦開放の響きにうっとりして欲しい。
かえるのワンポイントアドバイス
おじさんの水かきびろびろの手でも押さえられるから大丈夫だヨ!
コード理論を覗いてみようかな
今回紹介したコードの組み合わせだと、 普通にコード解釈したら 『A△7(9)』のコードはサブドミナントコードとして機能している。
このサブドミナントコードからサビが始まる曲がおじさんのツボなのである。 どっかで読んだけど 、日本人はこのパターンが好きらしい。分かるぅ。
さて、なんか用語が出てきたよ…。
『おう、サブ、ドミナントやってっか!?』
『へい、親分、今日もドミナントでやんす~』
新作落語、『サブと親分 ドミナント芝浜』の一節である。この作品を紹介すると5万字位になってしまうので、おじさんの脳内にだけ書き込んでおこう。
音楽的ツボ
自分の音楽のツボ、ってあると思う。この曲のここがたまらなく好き…。っていう部分。おじさんの場合、サブドミナントコードから始まるサビ、とか。
コード理論を知ると、自分の音楽のツボがどんな音か分かるようになる。あ、この音良いなって感じた時、その音やコードを自分で作れるようになる。
これが楽しい。いい感じの響きのコードが出来たら嬉しい嬉しい。適当に押さえても作れるが、理論を知っていると狙ってツボなコードを作れちゃう。
この辺の用語とか、コードの作り方が気になってきたら理論をちょっと覗いてみても良いかも。
高度なコード
テンションコードって言うのは、理論的に見れば高度なコードである。だからこそ初心者さんが鳴らしたらカッコいいとおじさんは思う。
開放弦を使うと意外と簡単に押さえられるのもギターの良いところ。ギターを持った瞬間からテンションノートを鳴らしてもいいじゃない。理論は後からついてくる!
高度なコード。高度なコード…高度なコード…。
これあと200回位書いたら超面白くなるんだけど今回は止めときます、はい。